きそがわポップスバンド第15回演奏会に行ってきた
そう、こーゆーこと!
と、まさに膝を打った(打ってないけど)演奏会でした。
何でも「ちょっと先の感じ」ってのが気持ちをくすぐるもの。
グルメやサービス、洋服や音楽もそう。
「ちょっと先」「半歩先」ってのがいつだって実は「今の気分」なのです。
手に入らない、手の届かないものじゃなくて「自分にもできたらいいな」って感じ。
この感じってすごく今っぽいっ流れだって思うんですよ。
それを強く感じて思わず膝を打った次第です。
部活動では、楽器の演奏技術向上だけではなく、目標に向けて個人的問題を解決しチームとして大きな目的を成し遂げるというプロセス、音楽をアカデミックに学び審美眼や思考力を養うといった、ある意味分かりやすい「楽しさ」とは違った目的があるかもしれません。
進学や就職で部活動から離れてもなお、吹奏楽を続ける場合、一般バンドに加入することが主なルートですよね。(ま、個人的に続けたり、ジャズに目を向けたりってのも勿論あると思いますし、私的には後者の方々からのオファーを待ち続けておりますよ!いやみんなから待ってます!)
一般バンドってのにも色々あるそうですが、まず前提として「自分達が楽しもう!」ってのがどのバンドにも共通しているんじゃないかと思います。
今回行った、きそがわポップスバンドもベースは地元の雄、木曽川高校のOB・OGだとのことですが、年齢、性別、性格、趣味嗜好など違うメンバーが「吹奏楽を楽しみたい!」というワードで集まっているはず。
そして、彼らは全力で「楽しいぞ!」っていうバイブスをビンビン発していました。
ホールは一宮市民会館。2階席併せて1500席くらいだったと思いますが、おそらく1000近くは埋まったんじゃないでしょうか。無料とは言え素晴らしい集客力です。客層はお約束の団員関係者と圧倒的に多いのが中高年。このおっちゃんおばちゃん達、無料イベント好きですよね。
ポップスバンドと冠しているのでビッグバンド的な要素が多いのかしら?位の気持ちで行きましたが吹奏楽の大編成。なので選曲がポップス寄りということなのでしょう。
オリジナル曲やクラシックアレンジ曲をどーんと演奏して、ぐっすり寝てる中高年が拍手で目覚める(笑)って感じにはならなそうな選曲です。
もう少しクラリネットの団員数増えるといいですね。それに比してトロンボーンが壮観でした。昨日は9本、ユーホ4本、チューバ2本で中低音が極厚(笑)。中でサックス吹くと、後ろからしっかり持ち上げてくれて気持ち良さそうです。
ボーン9本、クラ6本!
演奏はベースがモッコーだからか、ちゃんとサウンドしています。年50本の本番こなすって言ってましたから練習時間があんまり無さそうですね。怪しい曲もありました(苦笑)。練習が本番って言う、走る公務員こと川内優輝も真っ青なところもありそう。
<注:モッコーってのは地元吹部出身の人には言わずもがなですが県立木曽川高校、略してモッコー。西尾張地区のトップに君臨しており僕も高校時代、地区大会シードのモッコーの模範演奏に腰を抜かしたもんです。揃いのTシャツ着て、キリッとした眼差しで指揮者を見上げるクラリネット女子なんか高嶺の花。今思い出しても若干の甘酸っぱさと同時に漠然とした敗北感が湧き上がります(笑)>
しかし、そもそも観客は完璧でアカデミックな音楽を求めて来場していません。
アラを探しにわざわざやってきたわけではないのです。
「面白そう」だから来ているのです。
ちょっとくらい音程が?でも無問題。
ハイトーン外しても無問題。
曲によって音が怪しいのも無問題。
それらは逆に親近感になるってもの。
完璧な女性ではなく、ちょっとアレな女性にこそ萌えるのと同じことです。ん?それ同じか?
とにかく「このフレーズ吹くとすげぇ気持ちいいんだ!聞いてくれ!」という気持ちが伝わってくる演奏でした。
それに観客を惹き込み、巻き込む演出もお見事。
ドリルステージでは可愛いらしいセカオワ!
突如野球が始まりました
遂に楽器を置いて合唱!
全力で演奏し、全力で楽しんでいるのを目の当たりにすると自然と笑みがこぼれるというもの。
その全力の奥に、パート同士、ソリスト同士、更に家族をも巻き込んだ、音楽での濃密なコミュニケーションが浮かび上がってきて、「こんな関係っていいな」「音楽っていいもんだな」ってお客さんは思ったと思います。
音楽できる人なら、いや、できない人さえも「自分にもできたらいいな」って思ったんじゃないかな。
演奏者が楽しみ、その楽しみに聴衆を引き込み、参加したくなる、こんな感じを大切にし、手の届くものにするお手伝いができたらと思った日曜の午後でした。
「自分もサックス吹けたらな」
「もう一度サックスやってみよう」と思ったらkingsupertwenty@gmail.comまで。
きそがわポップスバンドの皆さんもジャズ、少しかじってみませんか?普段の音も良くなりますよ!(笑)