イドフリミエログ

場末のサックスプレイヤーから見える風景

Out of the Standard名古屋公演に行ってきた

昨日は目の前にキジが飛び出してきて危うく轢いてしまうところでした。

しばらく車の前でじっとしていたのですが、きびだんごを探してカバンをもぞもぞしているうちに飛んでいってしまいました。

この時期はいつもケーンケーンと啼いているのをよく聞くのできっと住み着いているんでしょう。数年前は密林化した我が家の庭の片隅で営巣していたようですし。

 

今日これから草取りします。はい。必ず。

 

一応言っときますけど、我が街、一宮は尾張地方の中核都市。

近年は名古屋市のベッドタウンとして人気があり、人口も40万人程度の「いい感じ」に田舎で都会です。

 

さて、今もケーンケーンとキジが啼くのが聞こえてきましたが、

中国の伝説の鳥に、鵬というのがいるそうです。

そんな鵬が啼く、と書いて啼鵬。

そう、バンドネオン奏者で作編曲家の啼鵬氏ですね。

昨夜はその啼鵬氏、

サックスに僕の大学時代の師匠、大和田雅洋氏、

そしてユーフォニアム、牛渡克之氏、

3氏によるユニット「Out of the Standard」(以下OTS)の名古屋公演を聴きにドルチェNagoyaへ行って参りました。

 

※以下、大和田先生読んでないと思いますが、読んでたら大至急このページを閉じてください。すんません。ちなみに現在土下座中。 

 

それぞれ3氏とも超優秀なミュージシャンなのはわかるんですけど、

え〜っと、バンドネオンにサックスとユーフォ。です、か?

 

そりゃ第一印象は十中八九「どうしてこの編成?」に。

 僕、「こりゃ3人で飲んだ席で結成されたに違いない」って思いましたもん。

 

※実際は大和田氏が同郷の牛渡氏に「何かやりましょうよ〜」とうっかり口走ったのが発端で、とある女子大の学園祭をブッキングされてしまい、サックスとユーフォじゃどうにもならんと、大学の後輩であった啼鵬氏が巻き込まれ便利に使われた、というのが真相だそうです。

 

しかし、OTSも、そんな「ポカン顔」されるのは承知の上なはず。

 

「どうしてこの編成?(ポカン)」に対して、パフォーマンスで、

「へぇ、凄いww。こうゆう編成もアリっちゃアリか。けど無茶すんなぁww」

とさせるのがOTSの思惑、といったところでしょうか。

 

プログラムはJ.S.バッハボロディン、ミヨーなどクラシックナンバー、

P.メセニーやJJ.ジョンソン、ジョン・ルイスのジャズナンバー、

啼鵬氏オリジナル、アルゼンチンの作曲家やタンゴのナンバー。

 

聞けばOTSの活動は17年にもなるとのこと。

当然といえば当然ですが、圧巻のアンサンブル、迫力のソロでした。

そりゃ凄い人たちが集まって音楽すりゃ凄いわなぁ、と。

 

大和田氏の芯が強いのに繊細な、まさに先生を削り出して創ったような音。

ソロではガツンと来る。けどホールの奥までしっかり届く美しいピアニシモ。

他の楽器と混ざり合う柔軟な音色。勉強になります。ありがとうございました。

 

牛渡氏の暖かく伸びやかに歌うユーフォ。

ユーフォの高音域ってなんであんなに魅力的なんでしょう。心を鷲掴みにされてシェイクされるような感覚です。

 

啼鵬氏のバンドネオンとピアノ、穏やかに話しかけられているような、どこか懐かしさのある音色。音の佇まいが美しいです。

抑制されているのに、中身は全然冷めていない感じ、真似しようと思っても難しいだろうなぁ。

 

例えば、洋画やなんかで、ヒロインに対する感情が、最初「この子知らんなぁ。」→最後「めっちゃかわいいやん!」となることないですか?

話が進むにつれてどんどんヒロインを好きになっていってしまうあの現象。

この現象、名前付いてないんでしょうか。

スターウォーズ最新作とかもその部類かもしれませんね。

 

このOTSはまさにそんな感じ。

 

「どうしてこの編成?」と油断しているところに、がっつりしっかり良い音楽聴かされちゃうもんだから、アンコールの啼鵬氏オリジナル曲「Along With You」の頃にはすっかり最初の疑問など忘れ、ぐっとさせられ、涙をこらえる羽目に。

まんまと「また聴きたいなぁ」とさせられた次第。

 

バージョン違いますがこちらの曲です。


along with you - Vocal Version -

 

学生時代ヘビロテだったトルヴェールQのCDで啼鵬氏を知り、ずっと憧れの対象でしたので昨夜お目にかかるのを楽しみにしておりました。

 

が、昨夜の打ち上げの席で、何と同い年だったことが判明。

思わず隣にいた同年の遠藤、小森の両氏と4人でパチリ。

ちょっと暗いしピンボケしてますね。でもこれが一番いい顔してました。

水野君猛反を(笑)。

しかし同い年とは。今調べたらイノセントドールズのリリース94年1月。

僕、その年2浪目で藝大受験してますから(笑)。

ま、いっか。今はみんな揃っておっさんですね!

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こちら(啼鵬氏ブログ)にはより鮮明な写真がでていましたのでリンク貼っときます。

限りなく啼鵬

 

啼鵬氏の作品はサックスカルテットも多いですので、今後METEORの方でも取り上げていけたらと思っています。

そういやSax Quartet METEORは読みをミーティア→メテオにすべきとの意見をO和田氏より頂戴しましたがどうしましょうね。

あ、6/12は小学生以下の料金設定をしました。

尚、未就園児はテーブルチャージ¥500だけでOK。

買い物ついでにでもご家族でお越しください!

 

では。

平井尚之

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